粘度計測に関係する 用語解説

粘度 ( viscosity ) 又は粘性・粘度率
液体が流動に対して示す抵抗の大きさを測る尺度。
a)  液体の流れの現象は、一般に層流ゆっくりと静かに流れている川の中に緩やかに赤インクを流すと、赤インクは一本の筋になって流れる。この時、隣接する両流体は混じり合うことなく川の流れの方向に平行に動いている。このような流体の流れ(一方向へ平行に流れる)を層流( laminar flow )という。として取り扱うことができる。
例えば、ガラス棒に水あめを付けて、自然に流下させるときに見られるように、速く流れる層と遅く流れる層ができる。これは流動によって速く動く層と遅く動く層の接触面に発生した内部摩擦力 ( internal frictional force ) の差異によるものである。液体のこの性質を「粘度」という。
b)  静止している液体の場合、任意の平面に対して、この平面の両側にある液体部がおよぼす力は常にその平面に直角で、接線応力平面に対して接線方向に及ぼす力は存在しない。
しかし、運動している流体で隣接する流体の部分(層流)が異なる速度で流れている場合には、相互に速度が一定になるような向きの接線応力が現れる。この性質を流体の「粘度」という。

剪断応力(Shearing stress)又は接線応力( Tangential stress )・応力( Stress )・内力・歪力・応力度
ダブルクリックで画像が大きくなります 物体の内部にとった任意の平面に対して、その平面の両側に存在する物体部分が互いにおよぼす力をその平面に対する「応力」という。
a) 応力または法線応力平面曲線の一点Pを通り、その点における接線に垂直な直線を点Pにおける曲線の法線という( Normal stress ) 平面に対して垂直におよぼす力の成分
b) 接線任意の曲線上の一点(P)におけるこの曲線の接線とは、点Mがこの曲線に沿って限りなくPに近づくとき、直線P―Mが限りなく近づく直線をいう応力 ( Tangential stress ) 平面に対して接線方向におよぼす力の成分
圧力(Pressure)
  法線応力が考えられる平面に対してその両側の部分が互いに押し合うような向きに働く場合、2物体の接触面または1物体内の任意の平面上の両側に存在する物体部分が平面に対して垂直に押し合う力をいう。
張力(Tension )
  「圧力」現象とは逆に引っ張り合う向きの場合、物体の任意の平面において、その平面に垂直の力で、かつ両側から互いに引き離そうとする向きに働く「応力」をいう。
トルク(Torque)又は回転力 ダブルクリックで画像が大きくなります
a)  仕事と同じ次元で表される。
    MT-2
量;力のモーメント:N・m(ニュートンメートル) 
    ・kg・s-2=m・kg・m/s
( 仕事の単位;kg・mと区別するためにm・kgで表す。)
1秒間当たり75m-kgの能力を有す場合を1馬力(HP) と定義する。
b)  1m・kgとは、1重量キログラム(kgw, kgf) の力を1mの半径に加えるときの回転力で、「力」と「長さ」との相乗積となる。
トルク:T = 力:F [N] × 長さ:r [m]

粘性液体の剪断応力(shearing stress)
「粘性の流体中に速度の勾配があると、その速度が均一になるようにこの速度勾配を消滅させるような抵抗力が発生する。」力は運動量の時間的変化である。したがって分子論的に内部摩擦力は、速く動く層と遅く動く層の接触面における分子間引力で互いに引き合っている二つの層の分子間での運動量:m・vが単位時間に速く動いている層から遅く動いている層に伝達される量に等しい。
m :分子の質量、v :分子の速度
 ここで、2枚の大きい平板;AB及び平板;CD を平行に設置し、その間に液体;Lを挟み、平板; AB を固定して、平板;CD を力;F で X軸方向に移動させた場合、平板;CD に接している液層は平板;CD と同じ速度で移動する。
平板;ABと平板;CDの間が十分離れていれば、平板;AB に接触している液層は移動しない。

すなわち液層の速度は平板;AB から離れるにつれて流れの速度は大きくなる。
この時、平板;AB から垂直方向 ( Y 方向 ) の距離:rにある地点の液層の速度: v 、さらにr+ drの地点での液層の速度:v+dvで表すと、そのdv/ dr を剪断速度 (shearing rate) または、ずり速度 (shear rate)という。

 また、平板;CD を動かすに要する力:F を平板;CD の面積:S で割ったもの F / S を剪断応力 (shearing stress) または、ずり応力 ( shearing stress )という。

 すなわち粘性力は、速度勾配に比例する。
 この法則に従うような粘性を「ニュートン粘性」、このような流れを「ニュートン流動:Newtonian flow」とよぶ。ニュートン流動を示す液体を「ニュートン液体」という。
気体や通常の液体は「ニュートン液体」である。

濃厚なコロイド分散系や高分子溶液は、この「ニュートンの粘度法則」に従わないので、「非ニュートン液体」という。

(「非ニュートン液体」では、粘性力と速度勾配とは比例せず、これを粘度計で粘度を測定すると粘度:「η」は、流速、流下圧力あるいは、経過時間によって変化する)
 大部分の純液体や低分子物質の溶液では、剪断応力 ( shearing stress ) が剪断速度 ( shearing rate ) に比例する。
これをニュートンの粘度法則 ( Newton’s low of viscosity ) という。

いま速度:vの流れがX方向に移動している時、流れに垂直なY方向に速度勾配:dv/dyがあるとすると、これに抵抗する単位面積当たりの接線応力:f は
接線応力:f F η dv
S dr
 すなわち粘性力は、速度勾配に比例する。
 この法則に従うような粘性を「ニュートン粘性」、このような流れを「ニュートン流動:Newtonian flow」とよぶ。ニュートン流動を示す液体を「ニュートン液体」という。
気体や通常の液体は「ニュートン液体」である。

濃厚なコロイド分散系や高分子溶液は、この「ニュートンの粘度法則」に従わないので、「非ニュートン液体」という。

(「非ニュートン液体」では、粘性力と速度勾配とは比例せず、これを粘度計で粘度を測定すると粘度:「η」は、流速、流下圧力あるいは、経過時間によって変化する)

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